New Yorkミュージカル

ミュージカルレビュー”MY FAIR LADY” 

残暑お見舞い申し上げます。

ニューヨークはここ数日比較的涼しく過ごしやすいですが、皆様の地方はいかがでしょうか?

明日からUSオープンテニスが始まります。錦織選手や大坂ナオミ選手を目当てにたくさんのお客様が観戦に来ておられ、盛り上がってます。
テニスがメインですけど、そこはやはりブロードウエイというミュージカルの本場、何か記念に見て行こうと考える方も多いのではないでしょうか。

さて今回とりあげるミュージカルは「マイフェアレディー」ですが、このミュージカルは映画が大ヒットしたことで日本人にも馴染みのある作品なので、楽しんで頂けると思います。
2月頃にチケットを買ったのですが、人気があってずっと待たなくてならずようやく観ることができました。

そして待った甲斐があった、素晴らしいできでした。

<物語>
ミュージカルに興味ある方ならもう物語は知っておられますよね。ロンドンの下町の貧しい花売り娘イライザが言語学者ヒギンズ教授とピカリング大佐の賭けー 汚い言葉を話し、教養のない娘を6ヶ月で社交界にデビューさせるー の対象として徹底的に教育を受け貴婦人に変身する。そして最後にはヒギンズ教授の愛をも勝ち取るというお話です。

<解説と感想>
映画が公開されたのが1964年ですからもう半世紀以上も前のことになります。でも今でもその記憶が色褪せない、というかVHSから始まって 、DVD、BLU-RAY、と何回も見直していて、ちっとも古さを感じさせない作品です。
(VHS 懐かしいですね。でも私と同年代の人たちは今でもその機械を持っていて時々見ている人もいるんですよ。私も機械はすでになかったのですが、VHSのテープはついこの間まで40本くらい持っていて、やっと断捨離の決心がつき処分しました)

その映画の前にブロードウエイで大ヒットしたのがこのミュージカルです。私が常日頃残念に思うのは映画ならいくらでも見なおすことができるのに、ステージはまさにその時のものを観ないとあとからは観ることができない事です。(きっと記録としてはあって関係者なら観れるのかもしれませんが一般的にDVDなどはない)なのでその時の私はまだ日本に居てその舞台を観ることができなかった、ジュリー・アンドリュースを観たかったです。

アメリカに来た当時、まだロサンゼルスに居た時のことなので40年近く昔ですが、あるプロダクションの「マイフェアレディ」を観ました。ジュリー・アンドリュースは出ないけど、レックス・ハリソンが出演予定だったのが何かの都合で代役となり、最初はがっかりしました。この役はもう彼、レックス・ハリソンしかできないくらいの彼の当たり役と思っていたからです。ところがところが、いざショーを観たらその代役の人が勝るとも劣らずの演技で、この国の役者さんの層の厚さというものをまざまざと感じたものでした。

今回のショーですが、ご年配の方はその初演を懐かしく思い出しながら観ておられるのだろうなと羨ましく思われました。
私にとってはブロードウエイでは初めてのショーですが、役者さんの演技以上に何と言ってもすばらしかったのが、舞台装置、照明、衣装、そして振り付け。
今回のショーがどれくらいのロングランになるかわかりませんが、もし20年後、30年後に再再演されたとして、キャストは変わってもこれらのものは何も変えずにそのままで十分通用するであろうと思わせる出来栄えです。
360 度回転させて見せるヒギンズ教授の家の中、それがずっと奥のほうに引っ込むとそこは街中であり、コペントガーデンであり、アスコット競馬場であり、舞踏会でありという具合。

競馬場の場面は映画でもそうでしたが女性は白と黒、男性はグレーのスーツというほぼモノトーンの衣装、独特の雰囲気です。競馬というと日本でもアメリカでも新聞とにらめっこで予想をたて、大抵は負けてしけたツラしてるしょうもない人間が多いイメージですが、イギリスでは今でもこんな上流社会の人の社交場となってるのでしょうか?どなたか今度教えて下さい。

下町の汚い英語(コックニ-訛り)のイライザにヒギンズ教授が「こう発音しろ」と指導、イライザは「私はそう発音してる」と言って、耳で聞くのと自分で発音するのとが違うという事がわからない。発音の矯正のためにいろいろなことをする一つに、Hの正しい発音をさせるのに炎の出る機械(正しく発音すると炎が強くなる)なんてのも「へー」という驚きでした。
自分も何十年もアメリカに住んでいながら発音なんて全然うまくないので、こういう訓練をすべきだったと思いますが、今からではもう遅いですね。

さて私から皆さん、特に女性の方に質問があります。
イライザがヒギンズ教授から賭けの対象にされた、自分を人間とも女性とも思ってないということに腹を立て失望して出て行く。バーナード・ショーの原作「ピグマリオン」では自分を慕ってくれているフレディと結ばれるのだそうですが、ミュージカル版ではヒギンズ教授のもとに戻って行きます。
ヒギンズがイライザが居なくなって初めてイライザの事を好きになっていて後悔するというのはわかるけど、イライザはこんな自分勝手で言語学者などという退屈そうに思える男のところに戻りたいと思うのだろうかと、男の私はちょっと疑問です。

そりゃミュージカルのお話だからと言えばそれまでなのですけれど、、、。

勝海

リンカーンセンター VIVIAN BEAUMONT THEATERで上演中

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